
アスベストとは、石綿と呼ばれ天然鉱物の一種であり、通常の状態では人体に対し害はなく、通常の石や土と特別かわりは無いとされていますが、他の天然鉱物とは違う石綿独自の特徴があり、これが原因となり現在問題として取り上げられております。
一つは、細い繊維状であるという事。
アスベストは、髪の毛の約5000分の1の細さと言われており、空気中に飛散しやすく目に見えず吸い込んでしまいます。
もう一つは粉塵になる事です。アスベストに限らず粉塵を大量に吸入すると体に悪影響が出ますが、繊維状の場合、肺組織に刺さり「死」に至るものまで、様々な人害を引き起こす可能性があります。目に見えず知らず知らずの間に、人体を蝕むアスベストだからこそしっかりとした十分な対応が必要となります。

アスベスト
- 青石綿:クロシドライト(人体にとって最も害があると言われています。)
- 茶石:アモサイト
- 白石:クリソタイル
- 他に、アンソフィライト、トレモライト、アクチノライト等の種類があります。

ロックウール
近年では、天然鉱物であるアスベストに変わり人工繊維が使われております。
その種類は、ガラスファイバー・ウール、ロックウール、スラグウール等が上げられますが、これらの人工繊維は基本的には人体に害は無いものとされています。
次の場所に石綿含有建築材料が施工されている可能性がありますので注意が必要となります。
- 鉄骨の耐火被覆
- 浴室、厨房、トイレの天井、壁
- 屋根
- 耐火間仕切り
- 天井・壁の内装材
- 外装材(耐候用として)
- 床タイル
アスベストが使用されて来た背景。
アスベストは、強度を備えた微細な繊維構造を持つため、重さに比べて非常に大きな表面積を持つ特性を活かし、耐候性、耐久性、軽量性、結露防止、吸音性、経済性の観点から様々な製品に使用されており、建築物の場合、耐火被覆材(※1)として吹き付けアスベスト、石綿スレート、石綿けい酸カルシウム板、ビニルタイル等の建築資材の繊維素材として使用されてきました。
さらに、アスベストは、断熱、絶縁性に優れ、酸、アルカリにも強い性質を持つ為、電線の被覆材、機械、器具の断熱材等にも利用されていました。
(※1 耐火被覆とは、建物を耐火建築物にする場合、耐火性を高めるため鉄骨に吹き付ける物。)

アスベスト規制の法的経緯
- ・昭和50年(1975年)
- 労働安全衛生法第55条、施行令第16条の改正アスベストを吸引すると発ガン性を高める原因となる事が知られ、吹付け石綿(アスベスト)は原則的に禁止されました。
- ・平成元年(1989年)
- 大気汚染防止法改正
特定粉じんとしてアスベスト(石綿)を指定。
アスベスト製品製造工場等アスベスト粉じん発生施設の敷地境界における基準濃度が10繊維/Lに設定されました。 - ・平成3年(1991年)
- 廃棄物の処理及び清掃に関する法律改正
撤去した吹付けアスベスト等廃石綿を特別管理産業廃棄物に分類。 - ・平成7年(1995年)
- 労働安全衛生法施行令改正
クロシドライト(青石綿)、アモサイト(茶石綿)およびそれらの含有製品の製造、輸入、供給および使用が禁止。
※この時点ではクリソタイル(白石綿)は使用可 - ・平成7年(1995年)
- 労働安全衛生法施行令改正
製造、使用等禁止対象に、アスベスト含有率5%を超えるものから、1%を超える吹付けひる石(吹付けバーミキュライト)、パーライト吹付け、発砲けい酸ソーダー吹付け等を追加。 - ・平成9年(1997年)
- 大気汚染防止法改正
建築物の解体・改修で吹き付けアスベストの除去を伴う作業を「特定粉じん排出作業」に指定。
作業開始の少なくとも14日前に地方自治体に対して作業計画を届け出ること、および、アスベスト除去作業基準を遵守することを義務化。 - ・平成16年(2004年)
- 労働安全衛生法施行令改正
クリソタイル(白石綿)をその重量の1%を超えて含有する石綿含有製品について、製造、使用が原則禁止。
※つまり、石綿含有建材の製造禁止を意味します。 - ・平成17年(2005年)
- 石綿障害予防規則が施行(7月1日)され、石綿が使用されている耐火被覆材等の除去作業が事前届出制になった。
これらの経緯を経て、建築物所有者や管理者のもアスベストに対する一定の責務が定められるようになりました。

- 石綿(アスベスト)肺
- 肺が繊維化してしまう肺繊維症と呼ばれる病気の一種となります。 肺繊維症の中でも特に、アスベスト曝露が原因となる繊維症をアスベスト肺と呼んでいます。職業上アスベスト粉塵を10年以上吸入した労働者に発生すると言われており、潜伏期間は15~20年とされております。
- 肺がん
- アスベストが肺がんを引き起こす原因は現在、十分な解明されてはいませんが、肺細胞に取り込まれた、アスベスト繊維の物的刺激が原因となり肺がんを引き起こすとされています。 また、喫煙とも深く関係しており、喫煙者の場合肺がんになる可能性は50倍にも上るとされています。潜伏期間は15年~40年とされております。

- 悪性中皮腫
-
肺を取り囲む胸膜、肝臓や胃などの臓器を囲む腹膜、心臓及び大血管の起始部を覆う心膜等にできる悪性の腫瘍です。進行が早く、若い時期にアスベストを吸い込んだ方のほうが悪性中皮腫になりやすいことが知られています。潜伏期間は20~50年といわれています。
この10年間の店舗デザインの流行として、開放感を演出する為に天井を作らず、解体時の状況でそのまま塗装をする手法が頻繁に用いられていましたが、その中には当時余り話題に上らなかった、アスベストが吹付けられている天井もあり、近年問題視されております。
アスベストによる健康被害に関する訴訟は、日本では海外に比べるとまだまだ少ない現状にありますが、 アスベスト訴訟が少ない最大の原因は、潜伏期間の長さではないかと推測されます。
肺がん、悪性中皮腫などの病状には約15年以上の潜伏期間があり、例えば、肺がんになったとしても、20年前のアスベストを吸い込んだ事が起因しているとは、説明がつけにくい状況にあります。
その様な背景をふまえ、目に見えず知らず知らずの間に、人体を蝕むアスベストだからこそ、しっかりとした十分な対応が必要となります。
また、近日の報道やニュースによりアスベストの危険性が取り上げられている。現在、従業員やお客様の不安を煽る材料となってしまいます。大きな問題へと発展するその前に早急な対応が必要とされています。
- 除去工事
- ・アスベストを完全に取り除き、無害の耐火被覆を施す
- 囲い込み工事
- ・アスベストが飛散しないようにボード等で囲い込む。
- 封じ込め工事
- ・薬剤を使用し飛散を防ぐ。




























